A&J Coming Home 自己評価と改善目標について

2022年3月

 

①A&J Coming Home の施設・環境について

   定員10名の事業所であるが、現在6名(小学生2名、中学生1名、高校生3名)が在籍している。その半数は、登校できない

   子どもたちで、日中をComing Homeで過ごしている。

 

    施設は、木造一戸建て住宅を使用しており、通所する子どもたちは、まるで自宅にもどったように、「ただいま!」と学校から帰 

 り、リラックスして活動している。近くに大きな公園もあり、外での活動も取り入れている。普通の家屋を使用していることか

 ら、利用する子どもたちが友人宅や親戚の家に行ったときのマナーを覚えることができる。

 

  2021年度は、昨年に続き新型コロナウィルス関連肺炎(COVID-19)の感染予防対策として、昨年購入した空気清浄機を2台と非接

 触式の便座に加え、卓上パーテーションを 大きく強度の高い素材の物を購入。机、パーテーション、ドアに加え、壁紙、襖紙、 

 障子紙もアルコール消毒を徹底した。

 6人の子どもたちが同時に通所することはなく、最大でも同時に3名の通所であったため、少人数が通所する事業所の良さを

 発揮できたと思う。

 

 ②の支援内容と重複するが、自宅待機となった生徒の支援として、オンラインでの支援やハイブリッド形式での支援を行った。

                                        

  改善目標 オンラインでの支援やハイブリッド形式での支援をする中で、設備を充実させる必要性を感じた。以前からの目標で

      あるバリアフリー改修の計画だけでなく、感染予防対策や対面での支援ができないことを踏まえた設備の充実、施設

      の改修も必要である。

 

②支援内容について

  2020年から始まった新型コロナウィルス関連肺炎(COVID-19)の流行により、毎年夏に計画しているオーストラリア短期留学の

 実施ができず、オンラインでの交流を進めた。年末には、日本について知らせたいことを考え、福笑いを製作し、クリスマスカ

 ードと一緒にオーストラリアに送った。オーストラリアからは、クリスマスカードと、学習した日本語を使い、綺麗な景色の写

 真をたくさん送ってくれた。コロナの影響で、いつもは1週間で届く物が1ヶ月半かかったのには驚いた。

 

 1月からのオミクロン株の感染爆発により、通所する子どもたちの学校でも陽性者が出たため濃厚接触者となり、自宅待機する

 子どもたちが増えた。その時の支援について、オンラインでの学習支援、通所している子どもたちと自宅待機の子どものオンラ

 イン支援を組み合わせたハイブリッド形式の支援なども実施した。

 

  例年の支援について言えば、平日の支援に関しては、その日学校であったこと伝えることから始まり、宿題のサポート、苦手教

 科のサポート、が中心である。全員揃って一緒に遊ぶことが少なくなったことで、子どもたちに少なからずストレスが溜まって

 いるように思える。

  

  土曜日は、長時間活動することができるので、学習支援に加え、姿育体操教室、お話教室、英語教室など、専門の先生に来ても

  らい、活動している。その他にも、季節の行事に繋がる手作り教室なども開催している。(お料理教室は、開催できなかった。)

 

  長期の休みには、その時に出ている宿題のサポート、特に自由研究、植物採集、読書感想文など、時間のかかる宿題のサポート

 を行っている。オーストラリア短期留学参加へのサポートも行っている。今年度はインターネットで交流を持った。

                                        

   改善目標 新しい支援の仕方について再考の必要性を感じた。オンラインでの支援に加え、ハイブリッド形式での支援も、子ども

       たちには好評であったので、新しい支援方法についての研修も必要である。

       コロナ禍において、学習面だけでなく子どもたちの心のケアの必要性を感じた。学校で開催される行事がほとんどなく 

       なり、楽しみがなくなったことも原因の1つであろう。少人数で感染予防をしながらできる楽しいイベント作成の力や

      心のケアについての知識を得る研修会を持つことが必要である。

 

③保護者との連携・関係機関との連携について                                       

 毎日の支援内容については、写真付きのお便りを発行し、保護者に手渡しし、その際に、その日に気づいたことなども話してい

 る。保護者からは、気になったことや心配なことなど、会った時に話を聞いたり、お便りに書いて提出してもらっている。

 メールや電話での相談にも対応している。小・中学校校長・教頭・教員を経験したスタッフが、進学や就職、進路についての相

 談に対応している。

 

 関係機関との連携に関しては、教育現場を経験したスタッフが、通所する子どもたちの通う学校に出向き、学校での様子と事業 

 所での様子など情報交換を行い、学校と事業所の連携について常に確認している。 

 

   今年度は、子ども総合支援センターの先生方や他の福祉法人と連携することができた。

 

  改善目標 学校関係には、スタッフの後輩や教え子などが勤務しているため、情報交換をしているが、保護者のニーズに合わせた

       支援機関を新しく見つけるため、より多くの支援機関についての知識を持ち連携する必要がある。

 

④非常時等の対応について

 毎年、1.17阪神淡路大震災の発生した日や、3.11東日本大震災の発生した日に、通所児童・生徒と共にその日を思い出

 し、防災について話をしている。避難場所、避難経路についても通所児童・生徒・職員で確認している。

    防火・防災計画や緊急時対応マニュアル、防犯マニュアル、感染症対応マニュアルについては担当者が作成し、職員間で共通理

 解し、対応を確認している。

 

 2022年2月末からの豪雨で、交流しているオーストラリアの地域では水害が発生した。特に大和高田市の姉妹都市であるリズモ

 ア市の被害が大きく、子どもたちともそのニュースをシェアしたところである。

 

 改善目標 事業所を利用する子どもたちの生命を守るために、Coming Home独自の対応マニュアルが”今”にあった物であるかど

      うかを再度職員間で確認し、改善していく必要がある。

      職員だけでなく、利用する子どもたちの「安全能力の育成」、また保護者との災意識の連携についても、どのように

      進めて行くべきかを話し合う職員研修の開催、また防災グッズや備蓄品についても再考の必要がある。