A&J Coming Home 自己評価と改善目標について

                                  2023年2月

①A&J Coming Home の施設・環境について

   定員10名の事業所であるが、現在6名(小学生2名、中学生1名、高校生3名)が在  籍している。その半数は、登校できない子 どもたちで、日中をComing Homeで過ごしている。

 

  施設は、木造一戸建て住宅を使用しており、通所する子どもたちは、まるで自宅にもどったように、「ただいま!」と学校から帰り、リラックスして活動している。近くに大きな公園もあり、外での活動も取り入れている。普通の家屋を使用していることか

  ら、利用する子どもたちが友人宅や親戚の家に行ったときのマナーを覚えることができる。

 

  2022年度は、昨年に続き新型コロナウィルス関連肺炎(COVID-19)の感染予防対策として、一昨年購入した空気清浄機を2台と非接触式の便座、卓上パーテーションを常備  し、机、パーテーション、ドアなどのアルコール消毒を徹底した。

  6人の子どもたちが同時に通所することはなく、最大でも同時に4名の通所であったため、少人数が通所する事業所の良さを発揮できたと思う。

 

  ②の支援内容と重複するが、オーストラリアの交流などインターネットを使うことも多かった。昨年行ったハイブリッド形式での支援をすることは無かった。

                                        

  改善目標 昨年行ったオンラインでの支援やハイブリッド形式での支援は、今後も必要になることを考え、設備を充実させる必要性がある。バリアフリー改修の計画だけでなく、感染予防対策や対面での支援ができないことを踏まえた設備の充実、施設の改修を実現させること。

 

②支援内容について

  2020年から始まった新型コロナウィルス関連肺炎(COVID-19)の流行により、毎年夏に計画しているオーストラリア短期留学の実施ができず、今年もオンラインでの交流を進めた。今年度は、自分の分身人形を作りオーストラリアに送った。分身人形たちは、  オーストラリアの生徒たちと授業を受けたり、ホームステイをしたり、旅行に連れて行ってもらったりした。その様子をEメールで送ってきたり、1冊の本にして送ってきたりした。年末には、たくさんのクリスマスカードが届いた。日本からは、オーストラリアの生徒に年賀状を出した。コロナの影響で、今回もいつもは1週間で届く物が1ヶ月半かかった。

 

  例年の支援について言えば、平日の支援に関しては、その日学校であったこと伝えることから始まり、宿題のサポート、苦手教科のサポート、が中心である。通信制の学校に所属する生徒は、週1回の登校日以外は事業所でレポートを仕上げている。全員揃って一緒に遊ぶことを昨年までやめていたが、感染症に気をつけながら、少しずつ再開し始めた。

  

  土曜日は、長時間活動することができるので、学習支援に加え、姿育体操教室、お話教室、英語教室など、専門の先生に来てもらい、活動している。その他にも、季節の行事に繋がる手作り教室なども開催している。

 

  長期の休みには、その時に出ている宿題のサポート、特に自由研究、植物採集、読書感想文など、時間のかかる宿題のサポートを行っている。オーストラリア短期留学参加へのサポートも行っている。今年度もインターネットで交流を持った。

                                        

   改善目標 オンラインでの支援に加え、ハイブリッド形式での支援も、子どもたちには好評であったので、新しい支援方法についての研修を持ちたい。コロナ禍において、学習面だけでなく子どもたちの心のケアの必要性を感じた。学校で開催される行事がほとんどなくなり、楽しみがなくなったことも原因の1つであろう。少人数で感染予防をしながらできる楽しいイベント作成の力や

心のケアについての知識を得る研修会を持つことが必要である。

③保護者との連携・関係機関との連携について                                       

 毎日の支援内容については、写真付きのお便りを発行し、保護者に手渡しし、その際に、その日に気づいたことなども話している。保護者からは、気になったことや心配なことなど、会った時に話を聞いたり、お便りに書いて提出してもらっている。メールや電話での相談にも対応している。小・中学校校長・教頭・教員を経験したスタッフが、進学や就職、進路についての相談に対応している。

 

 関係機関との連携に関しては、教育現場を経験したスタッフが、通所する子どもたちの 通う学校に出向き、学校での様子と事業所での様子など情報交換を行い、学校と事業所の連携について常に確認している。 

 

  今年度も、学校の教員との関係が上手くいかず悩んでいた保護者の支援をした。

 

  改善目標 学校関係には、スタッフの後輩や教え子などが勤務しているため、情報交換をしているが、保護者のニーズに合わせた支援機関を新しく見つけるため、より多くの支援機関についての知識を持つ必要がある。

 

④非常時等の対応について

 毎年、1.17阪神淡路大震災の発生した日や、3.11東日本大震災の発生した日に、通所児童・生徒と共にその日を思い出し、防災について話をしている。避難場所、避難経路についても通所児童・生徒・職員で確認している。

  防火・防災計画や緊急時対応マニュアル、防犯マニュアル、感染症対応マニュアルにつ いては担当者が作成し、職員間で共通理解し、対応を確認している。

 

 2022年2月末からの豪雨で、交流しているオーストラリアの地域では水害が発生し,特に被害の大きかった大和高田市の姉妹都市であるリズモア市を11月に訪問し市長とミーティングをした。そのことを子どもたちとシェアし、非常時の対応について話し合っ た。

 

改善目標 事業所を利用する子どもたちの生命を守るために、Coming Home独自の対応マニュアルが”今”にあった物であるかどうかを再度職員間で確認し、改善していく必要がある。職員だけでなく、利用する子どもたちの「安全能力の育成」、また保護者との防災意識の連携についても、どのように進めて行くべきかを話し合う職員研修の開催、また防災グッズや備蓄品についても再考の必要がある。